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おうち時間が増えて、家庭菜園に興味を持つ人が増えていますね。ミニトマトやキュウリも楽しいけれど、ちょっと大きな「木」を育ててみるのはどうでしょう?「え、庭がないし…」「難しそう」と思うかもしれません。
家庭菜園で木を育てると何がいい?教育的な視点から見る
なぜ「木」なのか?野菜との違い
家庭菜園と聞くと、多くの人がミニトマトやキュウリ、ナスなんかを思い浮かべますよね。
すぐに芽が出て、花が咲いて、比較的早く収穫できる。それはそれで楽しいし、達成感もある。
でも、「木」を育てるのは、ちょっと違う面白さがあるんです。
野菜は一年草が多いけれど、木は何年もかけて大きくなる。実をつけるまで時間がかかることもあります。
この「時間の長さ」こそが、家庭菜園の樹木教育メリットの大きなポイントの一つなんですよ。
例えば、私が初めてブルーベリーの苗を植えたとき、最初の年は花は咲けど実がほとんどつかなかった。
「あれ?」って子どもと一緒に首を傾げたものです。
野菜みたいにすぐ結果が出ない。
でも、それが子どもにとっては良い経験になる。
焦らず、じっくり待つこと。
そして、次の年、その次の年と、少しずつ大きくなって、実がたくさんついた時の喜びはひとしおでした。
この「待つ」過程そのものが、学びになるんです。
長いスパンで見る学び
木を育てるって、本当に「長い目で見る」ことの連続です。
今日水をやったからといって、明日劇的に大きくなるわけじゃない。
たまには虫がついたり、葉っぱの色が悪くなったり。
そんな時、「どうしてだろう?」と一緒に考える。
図書館で調べたり、詳しい人に聞いたり。
失敗することもあるかもしれません。
でも、その一つ一つの経験が、子どもたちの問題解決能力や探求心を育てます。
そして、何年もかけて木が成長し、花を咲かせ、実をつける姿を見ることで、生命の営みの壮大さや、計画的に物事を進める大切さを肌で感じることができる。
まさに、生きる力を育む教育的な時間と言えるでしょう。
- 木を育てる上で子どもと一緒に考えたいこと
- どんな種類の木を選ぶ?(地域の気候に合うか、好みの実は?)
- どこに植える?(日当たりは?風通しは?)
- 水やりはどれくらい?(土の乾き具合を見る)
- 肥料はいつあげる?(木の成長段階に合わせる)
- 病気や害虫がついたらどうする?(観察と対策)
- 剪定は必要?(木の形を整え、実つきを良くする)
五感で感じる自然との繋がり
家庭菜園で木を育てることは、五感をフルに使った学びでもあります。
春には新芽の鮮やかな緑。
夏には葉っぱのざわめきや、幹のゴツゴツした手触り。
秋には色づく葉や、収穫した実の甘い香りや味。
冬には葉を落とした枝の繊細な形。
鳥が巣を作りに来たり、虫が葉っぱを食べたりするのを見つけることもあるでしょう。
japanplants.com のサイトで見た珍しい木の話をしながら、子どもと「この木にはどんな虫が来るのかな?」なんて話すのも楽しい。
教科書だけでは学べない、生きている自然を肌で感じることができるんです。
これは、子どもたちの感性を豊かにし、自然への畏敬の念を育む素晴らしい機会になります。
さて、あなたのベランダや庭に、どんな木を迎え入れてみたいですか?
観察力アップ!家庭菜園の樹木教育メリットの具体的な効果
小さな変化に気づく目
家庭菜園で木を育て始めると、自然と観察する時間が増えます。
「あれ?昨日はなかった葉っぱが出てきた!」とか、「この虫、葉っぱを食べてる!」とか。
最初は漠然と見ていても、毎日顔を合わせていると、本当に小さな変化にも気づくようになるんです。
例えば、うちのキンカン。冬の間はジッとしていたのに、春になると枝の先に小さな芽が出てきて、それがだんだん膨らんで、可愛い白い花が咲く。
そして、その花びらが散った後に、緑色の小さな実が見え始める。
この一連の流れを間近で見ていると、「生きているんだなぁ」という当たり前のことに改めて気づかされます。
この「気づく力」は、勉強でも遊びでも、生きていく上で本当に大切な能力。
家庭菜園の樹木教育メリットの一つとして、この観察力が自然と養われるのは大きい。
子どもと一緒に「今日の木はどうかな?」と話す習慣をつけるのも良いですね。
生命のサイクルと多様性を学ぶ
木を観察することは、単に形や色を見るだけではありません。
季節ごとの変化、成長のスピード、虫や鳥との関係性など、生命のサイクルや自然界の多様性を肌で感じることができます。
例えば、アゲハチョウの幼虫がミカンの葉っぱをムシャムシャ食べているのを見つけたとします。
最初は「葉っぱが食べられちゃう!」と焦るかもしれませんが、それが蝶になる過程だと知ると、見方が変わります。
「この木が、この虫の命を支えているんだ」と。
枯れた葉っぱが土に還り、それが木の栄養になる。
鳥が実をついばんで、種を運んでくれる。
そんな自然の繋がりや循環を、本ではなくリアルな体験として学べるのが、家庭菜園の樹木教育メリットの深さです。
「なぜこの時期に花が咲くの?」「どうして葉っぱが落ちるの?」
そんな疑問が次々に湧いてきて、一緒に調べるのも楽しい時間になります。
木を観察するポイントリスト
- 葉っぱの形や色、つき方
- 幹や枝の表面の様子
- 芽や花の形、開花時期
- 実のつき方、色、大きさ
- 虫や鳥など、木に集まる生き物
- 季節ごとの変化(落葉、開花、結実など)
木の手入れで学ぶ、命の大切さと責任感
毎日の水やり、それが責任感の第一歩
水やりって、植物を育てる上で基本中の基本。
でも、これが意外と奥が深いし、子どもにとっては最高の「責任感レッスン」になるんです。
「今日、土は乾いてるかな?」「葉っぱがちょっと下を向いてる?」
そんな風に、木の「声」を聞こうとする。
私が息子にレモンの木の水やりを任せた時、最初はうっかり忘れて、葉っぱがシナシナになったことがありました。
息子はびっくりして、「大変だ!」と慌てて水をあげた。
すると、しばらくして葉っぱがまたピンとなったのを見て、「あ、僕がちゃんとやらないとダメなんだ」と実感したようでした。
ゲームみたいにリセットボタンはない。
目の前にある、生きているものを自分が支えている。
この感覚こそ、家庭菜園の樹木教育メリットの中でも、責任感を育む上で最もパワフルな部分です。
単に水をあげるという行為を通して、子どもは「自分の行動が相手の命に直接影響する」ということを学びます。
これは、将来どんな人間関係を築く上でも、きっと役に立つはずです。
剪定や肥料やり、成長を助けるということ
木が大きくなるにつれて、水やりだけでは足りなくなってきます。
枝が込み合ってきたら剪定して風通しを良くしたり、実をたくさんつけたいなら肥料をあげたり。
「この枝を切ると、他の枝に栄養がいきわたって、もっと美味しい実がなるんだよ」とか、「お腹が空いてる木にご飯をあげるイメージかな」と説明する。
最初は恐る恐るハサミを持ったり、肥料の袋を覗き込んだり。
どこを切るべきか、どれくらい肥料をあげるべきか、一緒に考え、調べ、試してみる。
このプロセスは、まさに「計画を立てて実行する」練習。
そして、自分が手入れをした結果、木が元気に育ち、たくさんの実をつけてくれた時の達成感は、何物にも代えがたい。
「自分が頑張ったから、こんなに立派になったんだ!」という成功体験は、子どもたちの自信に繋がります。
家庭菜園の樹木教育メリットは、このように具体的な作業を通して、努力が報われる喜びを体感できる点にあります。
- 毎日、木の様子を観察する習慣がつく
- 必要な時に適切な手助けをする判断力が養われる
- 命を預かることの責任を学ぶ
- 計画を立てて実行する力がつく
- 努力が結果に繋がる喜びを体感する
- 自然界の厳しさと命の尊さを知る
病気や害虫との戦い、そして命の尊さ
木を育てていると、楽しいことばかりではありません。
葉っぱにうどんこ病がついたり、アブラムシが大発生したり。
「うわー、気持ち悪い!」と思うかもしれません。
でも、これも自然の一部。
「なんでこんなことになったんだろう?」「どうすれば治るんだろう?」
病気の種類を調べたり、害虫図鑑とにらめっこしたり。
木を守るために、どう対処すべきか。
無農薬で頑張ってみるか、それとも薬剤を使うか。
時には、虫も一生懸命生きているんだな、と感じることもあるでしょう。
でも、木が枯れてしまっては元も子もない。
「この木を守るためには、この虫には諦めてもらわなきゃいけない時もあるんだよ」と、自然界の厳しい現実を伝える必要が出てくるかもしれません。
この「命と命のぶつかり合い」を目の当たりにすることは、子どもにとって大きな学びです。
そして、どんな小さな命でも、懸命に生きていることの尊さを知る。
手入れという行為を通して、植物という命との真剣な向き合い方を学ぶこと。
これは、家庭菜園の樹木教育メリットの中でも、人間の根源的な部分に触れる重要な経験と言えるでしょう。
家庭菜園の樹木教育メリットを最大限に引き出すには?
子どもと一緒に楽しむコツ
さて、これまで家庭菜園で木を育てることのたくさんの良い点、つまり家庭菜園の樹木教育メリットについて話してきました。じゃあ、そのメリットを子どもにとって最大限に引き出すにはどうしたらいいのか?これが結構重要で、ただ木を置いておけばいいわけじゃないんです。
一番大事なのは、親や周りの大人が「一緒に楽しむ」ことだと思います。子どもに「水やりしなさい!」と命令するだけじゃなくて、「今日のミカンの木、元気かな?一緒に見てみようよ!」って誘ってみる。葉っぱに虫がついていたら、「わ!この虫、初めて見たね!何ていう虫だろう?図鑑で調べてみよう!」って、一緒にワクワクする姿勢を見せるんです。
子どもが自分でやりたいと言ったことは、できるだけやらせてあげる。土を触るのが嫌いな子もいるかもしれないし、虫が苦手な子もいるでしょう。無理強いは禁物です。でも、水やりに興味を持ったら、ジョウロを持たせてみる。剪定バサミは危ないから大人がやるとしても、「ここの枝を切ると、もっとお日様が当たるようになるんだよ」と説明しながら一緒にやる。
失敗したって全然OK。「あちゃー、水あげすぎちゃったかな?」「肥料、少なかったかもね」って、それも学びのネタにする。完璧じゃなくていいんです。大切なのは、子どもが「自分もこの木を育てているんだ」という当事者意識と、「もっと知りたいな」「こうしたらどうなるんだろう?」という探求心を持つこと。家庭菜園の樹木教育メリットを最大限に引き出すには、子どもが主体的に関われるような声かけや環境作りが何よりも大切なんですよ。
さあ、家庭菜園で木を育ててみよう
家庭菜園で木を育てることは、単に収穫を楽しむだけではありません。特に子どもにとっては、生きた教材として、観察力、責任感、そして自然への深い繋がりを育む素晴らしい機会となります。種から芽が出て、葉を茂らせ、花を咲かせ、実をつける。その一つ一つの過程には、命の営みや地球のサイクルが凝縮されています。もちろん、うまくいかないこともあるでしょう。でも、それも含めて学びです。枯らしてしまった経験も、きっと次の成功に繋がるはずです。さあ、あなたも今日から、家庭菜園に一本の木を植えて、その豊かな教育メリットを体験してみませんか。きっと、子どもたちの、そしてあなた自身の世界が、もっと色鮮やかになるはずです。